アートマガジン『InfoMart』

インタビュー

三浦一馬【2021年3月21日 公演】

バンドネオンの若手の旗手として目覚ましい活躍を繰り広げる三浦一馬が、今年デビュー15周年を迎える。自ら結成した「東京グランド・ソロイスツ」を率い、生誕100年のメモリアルイヤーを迎えるオール・ピアソラ・プログラムに挑む!

三浦一馬[バンドネオン]東京グランド・ソロイスツ ≪ピアソラ生誕100年記念≫

三浦一馬イメージ

音楽に囲まれた幼少期 バンドネオンとの出逢い 両親がピアニストで、いつも音楽に溢れた家庭でした。ピアノの下に潜って両親が弾くピアノの音を聞いたり、おもちゃ感覚でピアノに触っていたのがよかったのだと思います。6~8歳の頃、家族でイタリアに移住したりと音楽的にもいろいろな刺激を受けました。10歳のとき、NHKテレビで偶然バンドネオンの番組を見て一目惚れ。体に電流が流れるような衝撃を受けました。後に師となる小松亮太さんのミニライブで「バンドネオンが弾きたい!」と直談判したところ、数日後に小松さんがご自身の楽器を自宅に送ってくださったのです。プチプチの梱包を開封し、バンドネオンを持ち、何も考えずにボタンを触った瞬間、最も低い「ド」の音が鳴り、その振動、重さで初めて実際の楽器を感じました。ゾクゾクした記憶がいまでも鮮明に思い出されます。

16歳で決意のプロ・デビュー 恩師マルコーニとの出逢い 楽器に出逢って以来、いろいろなコンサートに出演させてもらいましたが、曖昧だった自分のポジションを打開したくて、16歳で「プロ・デビュー」と銘打って公演を開催しました。と言っても、チラシなどもすべてが手作り。いま思うと恥ずかしいですが、当時はすべてを出し切った公演でした。ピアソラ・スタイルのコンフント・ヌエベ(9重奏)やアコンカグア(協奏曲)など、ずいぶん贅沢なことをさせていただきました。高校1年生の春休みに、憧れの巨匠マルコーニさんが来日すると知って別府に行きました。行き当たりばったりで、打ち上げ中のところに飛び込み演奏を聴いていただいたところ、翌日以降の空き時間もホテルでレッスンをしてくださいました。以来、マルコーニさんとのご縁は続いており、デビュー10周年公演にはマルコーニさんを日本に招いてのツアーも敢行しました!

悔しいコンクール準優勝 アルゲリッチとの共演 2008年に国際ピアソラ・コンクールで準優勝しました。こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、発表されるまで優勝するつもりだったので、ただただ悔しかった…。そのときの写真は悔しそうな顔になっていると思います(笑)。2015年、ずっと憧れだった「第25回出光音楽賞」を受賞したときは夢かと思いました。マネージャーから電話があり、周囲を気にせず「ウソ~!?」と叫んでしまいました。これまで多くの素晴らしい共演者と演奏させていただきましたが、2011年のアルゲリッチさんとの共演は特に印象的でした。震災の影響でマルコーニさんの来日がキャンセルになり、マルコーニさんの分まで共演させていただきました!

憧れのピアソラ生誕100年 今回はピアソラの生誕100年を記念するツアー。一言で言うなら、僕にとってピアソラは神でしょうか。曲を聴けば聴くほど、知れば知るほど驚くばかりで、こんな音楽をよく書いたなと感じています。これほどまでに引き込まれ、のめり込んでしまう音楽はほかにあるだろうかと毎回感じます。後世の我々が聴いて丁寧に分析しても、この曲はこうでしかありえない、完璧だ、と思わされる部分が多い。構成、メロディの魅力など、楽曲分析をしても緻密に、かつ確固たるピアソラの色を伴って作曲されていることに畏怖の念を感じます。

2017年に結成!東京グランド・ソロイスツの魅力 時代に即したピアソラ・サウンドを表現できないか、と漠然と思っていました。本家本元ピアソラの演奏も素晴らしいし、クラシック界でのブームを経たのでクラシック奏者による演奏も素晴らしい。その両方の良さを自分というフィルターを通じて表現したいと考えていました。2017年に旗揚げした東京グランド・ソロイスツの魅力は、ピアソラのサウンドに新しい息吹を吹き込む、最も新しいスタイルであること。僕のいろいろな演奏形態のフラッグシップと言えます。これまでの三浦一馬[ バンドネオン ]Kazuma Miura, Bandoneon様々な共演者、様々なレパートリーも含め、現在における集大成です。とにかく、気持ちよくメンバーに弾いてもらうことを意識しています。編曲する際は「当て書き」のように、誰がどのように弾くかも考えながら楽譜に向かっています!

所沢ミューズ公演に向けて 所沢では、いつも温かい印象とエネルギーを客席からいただいています。特に印象的だったのは所沢市役所の公演で、ロビーから溢れんばかりのお客様がいまでも記憶に残っています。実はまだアークホールでは演奏したことがないので、その点も楽しみなことの1つです。ピアソラ・イヤーという特別な年に一番自信を持ってお届けできる東京グランド・ソロイスツの公演が実現したことが何より嬉しいですし、プログラムも名曲揃い! どこを切り取ってもお楽しみいただける自信があります。東京グランド・ソロイスツの所沢ミューズ初公演、ぜひお楽しみにお待ちください!

【2021年3月21日 公演】

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