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インタビュー

辻井伸行【2021年1月31日 公演】

ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール優勝から11年。抒情豊かな表現と卓越した演奏技巧で聴衆を魅了し続ける辻井伸行。《ロマン派》と題したリサイタルを前に、ピアノとの出逢いから現在の想いまで話を聞いた。

大和証券グループ presents 辻井伸行日本ツアー 2021 “ロマン派 ”

辻井伸行イメージ

ピアノとの出逢い/サイパンでデビュー!? 2歳のとき、母の歌う「ジングルベル」に合わせておもちゃのピア辻井伸行ノを弾き始めたそうです。ぼく自身記憶はありませんが、そのとき辻井伸行のビデオが残っています。その頃からピアノを弾くことが大好き辻井伸行でした。4歳からピアノの先生に来ていただきレッスンを受けま辻井伸行したが、ドビュッシーやクレイダーマンなど好きな曲を弾かせて辻井伸行もらいました。5歳のときに家族旅行でサイパンに行った際、ショッ辻井伸行ピングモールのピアノが気になり、店員さんにお願いして弾かせ辻井伸行てもらいました。人前で弾いたのはそれが初めてでした! 観光客辻井伸行の方々が抱きしめてくれたり、褒めてくださったことがきっかけ辻井伸行で音楽家になりたいという思いが生まれたのだと思います。両親辻井伸行は音楽家でなかったですし、練習を強制することはありませんで辻井伸行した。むしろ、ぼくがご飯も食べずに弾き続けるので、やめさせるのに苦労したそうです(笑)。

ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール優勝 2005年にワルシャワのショパン国際ピアノ・コンクールに最年少で出場し、「批評家賞」をいただきました。2009年にはヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールに挑戦し、優勝することができました。でも、コンクールに出るときは、好きなピアノをたくさんの人に聴いてもらえることのほうが嬉しくて、ほかのピアニストと競うとか、自分の演奏が審査されるとか、そういうことは考えませんでした。コンクールでもコンサートでも同じで、お客様が熱心に演奏を聴いてくださるのはステージからでもわかりますから、緊張はしませんでした。

『笑顔で会える日のために』 コロナウイルスの影響で、国内外での多くの演奏会が延期や中止になり、自分に何ができるかと一生懸命に考えましたが、やはり音楽で想いを伝えたいと思いました。自宅で過ごすなか、『笑顔で会える日のために』という即興曲を発表し、最新アルバムにも収録しました。コロナウイルスの終息と、皆様と笑顔でお会いできることを願い作曲させていただきました。2020年に予定されていたニューヨークのカーネギーホールをはじめ、様々な海外公演が延期されていますので、再び世界中で演奏できることを願っています。今後は、もっとレパートリーを増やしていきたいですし、これからも皆様に愛されるピアニストでいたいと思っています。そして、いずれはコンチェルトも作曲できればと思っています。

ロマン派の大作曲家シューマン&リスト 《ロマン派》と銘打った今回のリサイタルツアーは所沢ミューズからスタートします。ロマン派を代表する大作曲家シューマンとリストの作品を取り上げますが、シューマンはロマン派のなかでも特に繊細で表情を持っており、その特徴を一言で語るのはとても難しいのですが、彼の作品を通して、愛、情熱、幻想、など様々なことを考えさせられます。シューマンを演奏するたびに、クラシック音楽の楽曲の背景の大切さや、当時作曲者が何を考えどのようなことに影響を受けていたのか、演奏するうえでとても大切なことを教えてくれる作曲でもあります。リストは、技巧的な「リゴレット・パラフレース」、そして歌に溢れる「愛の夢」と幅広い表現をお楽しみいただけると思います。

所沢ミューズでの久々のリサイタル 所沢ミューズでの演奏は、リサイタル、オルフェウス室内管、アシュケナージさんが指揮するアイスランド響との共演など、どれも記憶に残っています。アークホールはとても広くて響きの良い印象で、素晴らしいホールだと思います。今回の公演は所沢での久々のリサイタルであると同時に、コロナウイルスと向き合うなかでのリサイタルです。大変な状況ですが、ぼくは音楽の力を信じています。お客様には、そのときにしかない生の演奏をぜひ楽しんでいただければ幸いです。皆様にお会いできることを楽しみにしています。

【2021年1月31日 公演】

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