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インタビュー

神尾真由子(ヴァイオリン)【2016年10月30日 公演】

2007年にチャイコフスキー国際コンクールの頂点に輝いた神尾真由子とミロスラフ・クルティシェフ。2013年に結婚し、音楽面でも私生活でも、かけがえのないパートナーとなった2人が所沢ミューズで共演を果たす。共演者クルティシェフの魅力とサンクトペテルブルクでの暮らしについて、日本に帰国中の神尾真由子に話を聞いた。

神尾真由子(ヴァイオリン)

ミューズには6度目の登場 もう5回も出演しているんですね。マーキーホール(2008年と2011年)の700席という規模も素敵ですが、アークホール(2013年、2015年、2016年)はステージの後ろの女神像がすごいですね。2000席の広いホールですが、響きが良いので演奏しやすいです。

共演者クルティシェフ 2007年のチャイコフスキー・コンクールで出会いました。初めて共演したのは2010年ですが、音楽にかける情熱が素晴らしいと思いました。これまで共演してきた人とは、段違いと言っていい情熱だと思います。
大変なテクニックの持ち主で、よく「天才タイプ」と言われますが、そうではなくて、むしろ「努力型」です。作品を勉強し、様々な技術的な課題に取り組む熱心さは、同じ音楽家として本当に尊敬に値しますし、そうした努力からあのテクニックが生まれるのだと思います。

私生活 2013年にミロスラフと結婚して、サンクトペテルブルクで暮らしていますが、ほっておくと彼は一日中練習しています。食事にも無頓着で、私が料理を作っても「外食でも何でもいいよ~」という感じ。もちろん掃除や洗濯にはまったく無関心で、家が散らかっていても電球が切れても、「Oh!No!」で終わり。私がイライラして一生懸命掃除したりすると、「マユコは気にし過ぎ。クレイジーだ!」って私の母に告げ口するんです。でも、実は母のほうが私よりずっと潔癖なんですけどね(笑)

長男の誕生 2015年に長男が誕生しました。最初の1年は人見知りがひどくてよく泣くので、人に預けられなくて困りました。ミロスラフが抱っこしても泣いてしまうんです。練習できなかったり、寝不足になったりして大変でしたが、1歳になった頃から急に大人になって、ミロスラフともよく遊ぶようになりました。最近はテレビで知らないロシア人を見て、「パパ~」と言っています(笑)。私がいつも掃除機をかけているので、コロコロ動くのが気になるらしく、手伝って(?)くれます(笑)。

ヴァイオリン・ソナタと小品集 ミロスラフとの共演で、まずブラームスとR・シュトラウス、フランクのソナタ集を録音して、次に小品集を録音しました。今回の所沢でのデュオ・リサイタルはソナタと小品をミックスして組んでみました。プログラムはだいたい私が決めます。ミロスラフに「これでいい?」って相談すると、いつも「いいよ!」と返事が返ってきます。プロコフィエフのピアノ・ソナタやショパンのエチュードなどのピアノ・ソロに比べると、ヴァイオリンと共演するのはプレッシャーが少ないようで、小品集のレコーディングのときは「バカンスみたいに楽しいよ!」と言っていました(笑)。

【2016年10月30日 公演】

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