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インタビュー

南原清隆(お笑い芸人)、野村万蔵(狂言師)、佐藤弘道(タレント)【2016年3月6日 公演】

狂言とコントの融合による新しい笑いを作り上げてきた「現代狂言」。10年目を迎え、集大成としての舞台が期待されます。この10年のことなどを、出演者を代表して南原清隆さん、野村万蔵さん、佐藤弘道さんにお聞きしました。

南原清隆(お笑い芸人)、野村万蔵(狂言師)、佐藤弘道(タレント)

10年目を迎えた心境は? 南原あっという間の10年でした。狂言を学ぶ中で、いろいろと自分のものの見方が深くなってきた気がします。そして、人間の本質は昔から変わっていないなあと実感しています。
佐藤現代狂言10周年、まことにおめでとうございます。私自身は途中からの参戦でしたので、初演から参加されている皆さんが羨ましいです。10年という一つの節目ではありますが、通過点と捉えて、1年でも長く参加できるように改めて気持ちを引き締めたいと思います
野村よくここまで続けられたなあというのが本音ですね。当初は否定的な声も多く、実際手探り状態でしたが、めげずに続けることで一つの新ジャンルを作り上げたと思っています。

印象に残っている作品は? 南原作品としては古典狂言「棒縛」で、先生が舞台にいないなか、我々だけで世界観を創ることの大変さ、難しさ、またその中での少しの喜びがありました。
 印象に残っていることは、いっぱいありますが、2009年に八千代座(明治時代から続く歌舞伎小屋)で公演した時に、お客様の笑顔を見ていると時間が遡っているような不思議な感覚がありました(現代狂言Ⅲ)。
佐藤「もどき」と言われる「チョコレート」(現代狂言Ⅳ)や「五獣拳」(現代狂言Ⅴ)、それと主役をさせていただいた「ドラゴンキャッスル」(現代狂言Ⅵ)です。
野村古典狂言をもとに現代風に作った(もどいた)作品を「もどき」と言いますが、そのなかでは「チョコレート」(現代狂言Ⅳ)が印象に残っていますね。これは古典の「附子」をもどいたものです。新作では前作の「ことだま交差点」(現代狂言Ⅸ)、「橋 第一章河童」でしょうか(現代狂言Ⅶ)。毎回、前作を超えるものをと思っています。

今回の見どころは? 南原全員で古典をやり、全員で新作をやります。新作では今回初めて現代人と中世の人(太郎冠者)がからむ、まさにコントと狂言が融合するお芝居になっています。しかも西洋と東洋、いろいろなものが一つになる舞台で、そこに踊りや音楽が入っているエンターテインメントな舞台になっています。
佐藤今回は狂言を愛するセイン カミュさん、人気爆発中の帰ってきた岩井ジョニ男さん、本格派舞台俳優の三浦祐介さんらとさらにパワーアップした舞台をご提供できると思います。
野村節目ですので、私と南原さんはもちろん、全員集大成の気持ちで気合が入っています。古典も新作も各々スキルアップした点をお楽しみに。新作は古と今、和と洋、芝居とミュージカル、いろいろな対比が面白いと思います。

狂言を経験されて、考え方や身体の動かし方などに変化は? 南原身体の変化としては丹田を意識するようになったことや、声の出し方の技が増えたことです。あっ滑って、転ぶことがほぼ無くなりました。
佐藤狂言は一般の方には敷居が高いというイメージを私自身が持っていたのですが、「狂言はお笑いなんだよ!」ということを学び、体験し、多くの方が気軽に足を運べる場所であることを学びました。狂言を知らない方、行ってみたい方は、まずは「現代狂言」からお越しくださればと思います。

南原さん、弘道さんの狂言の印象は? 野村南原さんは芯が強く、応用力に優れていますね。狂言の豊かな面が増えるともっと上手になりますね。弘道さんは優しい豊かな狂言だから、南原さんと逆に狂言の剛の部分を意識するともっと上手くなりますね。

楽しみにしている皆様に一言お願いします。 南原初めて見る方も、いままでに見ていただいた方もいらっしゃると思いますが、とにかく気軽に楽しんでもらえればと思います。堅苦しくなく、ただ楽しんで三世代で一緒に観られる舞台になっていますので、どうぞおじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さん、お子さん、お孫さんをぜひ誘って、一緒に笑いに来てください。
佐藤 今までご来場くださった皆様はもちろんのこと、「狂言」を知らない方もぜひ会場にお越しください。私自身がそうであったように、「狂言」のイメージが変わると思います。出演者一人ひとりが、精一杯に皆様のツボを捕まえにいきますので、たくさん笑って、時には感動してもらえたら嬉しいです。ライブでしか楽しめない時間と空間を一緒に作っていきましょう。現代狂言Ⅹ、よろしくお願いいたします。
野村また現代狂言の季節になりました。1年間楽しみにしていた方から今回初めて楽しみにしている方まで、皆様に幸せな気持ちになって笑ってストレス発散していただくために一同精一杯がんばります。

【2016年3月6日 公演】

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