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インタビュー

押尾コータロー(ギタリスト)【2014年10月25日 公演】

デビュー12年目を迎え、海外からも高く評価され続ける人気ギタリスト・押尾コータローさん。
わずか1本のギターが紡ぎ出す多彩なサウンドと斬新なテクニックによるパフォーマンスは観客を魅了し、多くの押尾ファンを生み出してきました。通算12枚目となるオリジナルアルバムの発売が決定し、9月から始まる全国ホールツアーを前にしたスペシャルインタビュー。

押尾コータロー(ギタリスト)

ニューアルバム「PANDORA」のコンセプトをお聞かせいただけますか。  ギリシャ神話の「パンドラの箱」からイメージを得ました。あらゆる災いが飛び出した後の箱には希望が残っていたという有名なお話ですが、その希望はいまの時代にも残されているものだと思って。これを題材にいろんな物語を綴っていけると感じました。

いまの時代だからこそご自身の曲に込めたい思いというものはありますか。 希望があるから人は生きていける。音楽を通してその希望を届けていければと思っています。僕にできることは音楽しかありませんが、聴いてくれた人が「もう少し頑張ってみよう」と思える曲をつくっていきたいですね。

ニューアルバムのレコーディングで一番印象に残っていることは何でしょうか。 ラヴェルの曲、「亡き王女のためのパヴァーヌ」での演奏ですね。いつも使っているギターがなぜかこの曲にしっくりこなくて。東京の楽器店が紹介してくれたオーストラリア製のギターを試したところ、品があって音も良くぴったりでした。「月のナミダ」という曲もこのギターでレコーディングしています。

ギターを始めたきっかけは? 中学生のとき、ブラスバンド部の演奏を見てかっこいいなと思って入部したんです。その部活の休憩時間に先輩がギターを弾いていて。一人で完結する楽器ってすごいなと。さらにギターは女の子にモテると知って(笑)。そこからです。

高校生になってもずっとギターを? ますますのめり込んでいきました。僕の師匠である中川イサトさんに習いにいくようになって、ギターインストゥルメンタルの存在も知って。プロになると決めたのもこの頃です。

爪の手入れは毎日されるのですか。 以前はスカルプチャーをしていましたが、実はジェルネイルがいいと最近気づいて。これを始めてからは1カ月ぐらい手入れをしなくても問題なくなり、ストレスも軽減しました。つけ爪に比べるとやわらかいので、ギターの音色もマイルドになったかもしれません。

立って演奏されることが多いですが、椅子に座っての演奏と比べて違いはありますか。 やっぱり目立つところですね。マイケル・ヘッジスという大好きなギタリストが立って弾いていたというのもありました。いまでは立ったほうが弾きやすいんです。

押尾さんを憧れる若い世代のミュージシャンが増えてきたと思います。次の世代に伝えたいことは? どんどん僕の真似をしてほしいですね。僕もデビュー当時は人の真似だと言われましたが、誰でも最初は好きなミュージシャンの真似から入ると思うんです。素直に真似して自分のものにして、ギターの魅力をまたほかの誰かに伝えてほしいです。

デビュー12年目を迎えましたが、押尾さんのなかで変わってきた部分はありますか。 音の出し方が変わりました。以前はギターのことをただの道具と見ていて、うまく鳴らないのをギターのせいにしていたんです。どうすれば鳴ってくれるんだろう、と徐々に自分をギターに合わせていけるようになって。そう考えるようになってすべてが逆転しましたね。音がどんどん良くなっていきました。スタッフの意識も変わりました。自分たちにしか出せない音を出そうと取り組んでくれて。このチームと音は僕の自慢です。

変わらないところは? 一人であること(笑)。一人が好きなんです。気持ちが観客のほうへ向きますし。これは今後も変えたくないですね。

公演を楽しみにしているファンの皆さんへ一言お願いします。 ギターインストゥルメンタルのコンサートなので、ギターの音色を存分に聴いてもらうのはもちろんですが、手拍子で参加してもらうコーナーがあったり、みんなで歌ったり、ご家族で来ていただいても楽しいライブです。ぜひご来場をお待ちしています!

【2014年10月25日 公演】

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